« 2011年7月 | トップページ | 2011年9月 »

2011年8月に作成された記事

産經新聞「主張」のいひがかり

御案内のとほり産經新聞は民主黨と菅總理が大きらいなので、なにかにつけてケチをつけるてゐるが、それにしても今日の『【主張】「核抑止力」発言 首相は何を学んできたか』はひどかった。
冒頭を引用する。

 菅直人首相が原爆犠牲者追悼に訪れた広島、長崎で「核抑止力の必要がない世界を目指して努力したい」と発言、核抑止力のない世界に向けて取り組む考えを示した。
 首相は昨年の広島平和記念式典後の会見では、「国際社会に不確実な要素がある中で核抑止力は引き続き必要」と語っていた。1年で全く逆といえる認識に転じたのはどういうことか。

いや、現状は「国際社会に不確実な要素がある中で核抑止力は引き続き必要」だけども、將來は「核抑止力の必要がない世界」になるように「努力したい」といふことでせう。別に「1年で全く逆といえる認識に転じた」わけではないと思ふが。

 2009年に「核なき世界」演説を行ったオバマ米大統領も「世界に核があるかぎり、核抑止力を堅持する」と理想と現実を明確に区別している。

ともある。しかし、「核抑止力の必要がない世界を目指して努力したい」といふのは理想を述べたのではないのか。「核抑止力はすでに必要がなくなっているので、すぐに核廃絶をせよ」と言ったのではない。
産經新聞「主張」子は

首相は抑止と防衛の基本を根底から学び直してもらいたい。

などと大見得を切ってゐるが、そのまへに自分が文章讀解の基本を根柢から學び直してもらひたい。
と言ひたいところだが、菅總理の本意を百も承知で書いてゐるんだらうな。
人の言説をねぢ曲げて解釋して、それによって批判するといふのは卑怯である。そのやうな卑怯な行爲は大和魂からもっとも遠く離れたおこなひであると言はざるをえない。
菅總理を批判したければどんどん批判しろ。そのかはりそれは論理的にやれ。このやうな言ひがかりをふっかけるのは日本人の恥だ。いつも聲高に愛國心をうったへてゐる産經新聞が一番わが國を貶めてゐる。

ついで書くと、この「スターリン、毛沢東もビックリ 田中康夫氏が民主公約見直しを批判」といふ記事にもミスリードがある。田中康夫新黨日本代表のことばとして

「民主党に票を投じた人への背信行為だ。党内手続きも踏んでおらず、人の意見を聞かぬといわれた小泉純一郎元首相、剛腕といわれる小沢一郎元代表ですらやらなかった。(共産主義者の)スターリンや毛沢東ですら驚くのではないか」

といふのをひいてゐるが、この括弧の中はなんだよ。黨内手續きだの、人の意見を聞かないだのと「共産主義者」は直接關係ないだらう。現にここにならんで名前の上がっている「小泉純一郎元首相、剛腕といわれる小沢一郎元代表」はだれがどう見ても共産主義者ではあるまい。「スターリンや毛沢東」のまへにあへて括弧で補足するのなら(獨裁者である)とかではないのか。
姑息にも括弧内にあらぬことばをおぎなって微妙に印象操作をしてゐるとしか思へない。
そもそも「スターリンや毛沢東」を共産主義者だと思ってゐるなんて、無邪気にもほどがある。そのスターリンでさへ、毛沢東のことを「マーガリン共産主義者」と呼んでいたのだ。もちろんスターリンだってとてもバターであったとは思へないが。

もう一度くりかへす。批判したければ批判せよ。主張したいことは主張せよ。だが、やるのなら堂々とやるべし。いまのやうな産經新聞のやり口は日本そのものを貶める行爲だ。

やっぱりいらないから埋めたんだ

ひとつまへのエントリ『「隱蔽」なんて高級なものではないのでは?』の續報です。
8月4日附の朝日新聞朝刊に『「調査に役立たない鉄くず」 中国鉄道事故 当局者が発言』といふ記事がのりました。asahi.comでは見つからなかったので、以下に全文紹介しておきます。

 中国浙江省温州市の高速鉄道事故で、上海鉄路局の技術責任者が、事故車両について「調査に役立たない鉄くず」と話していたことが明らかになった。中国誌「新世紀」が報じた。鉄道当局に事故車両は証拠品だとの意識が希薄だったことが浮き彫りとなった。
 同誌によると、事故を起こした列車の先頭車両が穴に投棄されていたのを記者が目撃。同技術責任者に理由を聞くと、「鉄くずだから処分した。(鉄道当局の)正常な作業の流れだった」と語ったという。
 また中国紙の経済観察報は、主要駅責任者の話として「事故が起きたらすぐに重機で片付けるのは、鉄道当局がいつもしてきたこと」と指摘。問題になったのは「今回はメディアの関心が高かったから」と述べ、たまたま公になっただけとの認識を示した。
 一方、鉄道省の陸東福次官は「作業空間をつくるため、(車体や部品を)穴の中に積んで置いただけで、埋めていないし、証拠隠滅もしていない」と否定。しかし、実際は穴の中で先頭車両を粉々に壊していた。 (上海=奥寺淳)

ね。わたしの推測とほぼ同じでしょ。彼らにとってはこの程度の事故なんてたいした問題ぢゃないんですよ。だから役に立たない邪魔なものはさっさと片附ける、といふ意識しかない。これが言はれてゐたやうに隱蔽なら、まだ事故が重大問題だといふ認識があるだけマシなんですが、さうではないので、この方がより根深い問題だと言へませう。
やはりかの國の感覺をわれわれと同じやうにかんがへたら大まちがいなのですね。

(附記)asahi.comには載ってゐませんが、同趣旨の記事がスポニチSponichi Annexにありましたので、リンクしておきます。

« 2011年7月 | トップページ | 2011年9月 »

2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

ninja