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2011年3月に作成された記事

平川センセイ、それと非婚率とは關係ないでせう

產經新聞の今日の「正論」欄は比較文化史家、東京大学名誉教授・平川祐弘センセイの「試験不正あり得ない一高の空気」といふ文章。文章全體で言ってゐることはそれほど突飛なことでもない。
しかし、

 公正とは何か。フランスではセンター試験に相当するバカロレアに口述試験がある。日本人は筆記は公正で、口述は地区の数人の試験官の主観で採点が左右されるから不公正だと考える。しかし、試験がないから口述の訓練をしない日本の若者は自己表現が拙劣だ。日本語を上手に話せない者が英語で上手に話せるはずもない。それどころか異性に申し込みもできず結婚率の低下をもたらしている。わが国では目先の小さな公平にこだわるあまり、大局的に非常な教育的損失を重ねている。

といふところは無茶ですねえ。いや、ここも全體的な論旨はまあ良いのだけれど、

それどころか異性に申し込みもできず結婚率の低下をもたらしている。

ってのは無茶苦茶ですよね。
このセンセイによると、日本の非婚率が高くなってゐるのは若者が口下手なためにプロポーズがうまくできないため、らしい。
んなアホな!プロポーズなんてなにも美辭麗句をかさねなくても、ストレートに「結婚してください。」ですむことぢゃありませんか。
非婚率が高くなってゐるのは、經濟的な事情(非正規雇用の增加、女性の經濟力の上昇等)とか、價値觀の多樣化とか、結婚しないことによる不利益や不便が減ったこととか、さういふことが原因でせう。「自己表現が拙劣だ」から「異性に申し込みもでき」ないため、とうのは牽强付會といふか、はっきり言ってしまへばトンデモ理論ですね。
東京大學名譽敎授でも自說を强調するためにはいきなり非論理的になってしまふ人がいる、といふ一例でした。

官報はいろいろとおもしろい

官報、といふものがあります。どういふものかの詳細はWikipediaでも見ていただくとして、一言で言ふなら國の機關紙ですね。法令の公布をはぢめとして、國が一般に對して廣く知らしめるべきことが載ってゐる日刊紙(土日祝祭日年末年始などはのぞく)です。
體裁はA4版32ページ建てが原則です。月極めなら消費稅込で1,596圓。1部賣りは同136圓です。1箇月で20日ぐらゐ發行日があるわけですから、月極めと1部賣りの賣價對比は一見妥當な感じがします。
しかし、官報には號外といふものがあります。揭載記事が32ページにおさまりきらないときは號外が出るのです。ちなみに32ページにおさまることはあまりないらしく、大半の日は號外が出ます。そして號外は1部賣りの場合、本紙とは別賣で、そのページ數によって値段が決まります(月極めは號外を含んだ價格です)。
今年の3月8日付を例に見てみませう。本紙(第5510号)は上記のとほり32ページで136圓。この號には付錄として2月目錄といふものがついてゐます。12ページ。
号外第45号が64ページで272圓。号外46号が6分册でトータル384ページ、1,632圓。号外政府調達第44号が24ページで136圓。3月8日付の官報だけでこれだけあります。號外の1部賣り價格は136圓@32ページをもとに、ページ數比例で決められてゐるわけですね。
そこで奇妙なことがおこります。この日の号外46号だけが欲しい場合、それだけで月極め價格より高くなってしまふんですね。でもこれなどまだましな方で、地價公示が揭載される號外はもっとスゴイことになってしまひます。なんでも平成23年地價公示價格は、平成23年3月18日の官報(号外第993号)に揭載されるさうで、671ページで2,856圓にもなるさうです。
かういふ價格設定もおもしろいのですが、揭載內容も實はいろいろとおもしろいのです。
さきに述べた号外46号は384ページ分まるまる全部「著作権者不明の著作物の利用に関する裁定及び補償金の額を定める件(文化庁二三)」といふ吿示です。內容は國立國會圖書館の近代デジタルライブラリー事業關連で、要はだれが著作權を繼承してゐるかもわからない古い本をデジタル化するための裁定おこなったことの吿示なのですが、とにかく384ページにわたって對象となる著作物の題号と著作者名、保証金の額が何萬件も列擧してあるといふすさまじいもの。こんなものだれが目を通すんだよ、と思ってしまひますが、法的行爲なのでしかたがないのでせうね。ちなみにペラペラっとめくってみたところ(なので見落としがある可能性もおほひにありますが)、1件あたりの補償金は27圓~65圓のやうでした(ちなみに總額は4,364,328圓)。心から御苦勞さんだなあ、と感心してしまひました。
このほかにも官報の見出しを每日見てゐると、「「いか」及び「太平洋種にしん」の輸入割当てについて」とかいふやうな一見能天氣な吿示とかが載ってゐて、結構笑ってしまったりします。
官報といふといかめしい感じがしますし、實際さういふものなのですが、その中にもかういふヘンな樂しみもある、といふおはなしでした。

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