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大相撲はこの際、膿をすべて出せ

去年、大相撲界をゆるがした野球賭博事件の搜査過程で、八百長の物證といふべきメールが復元されたといふことで、大きく報道されてゐます。
八百長があきらかになったといっても、わたしは別段おどろいたりしません。わたしに限らず、好角家はだれもおどろいたりしてはゐないのではないでせうか。大相撲に八百長乃至は星の貸し借りがあるのは常識のやうなものです。「八百長」の語源が相撲に關係があることも廣く知られてゐることでせう。
野球賭博のときもさうでした。相撲取りが博打好きなのはあたりまへだし、角界とやくざ、もしくは俠客が密接に關係してゐるのも歷史的に當然のことです。相撲にかかわらず興行とやくざといふものは切っても切れない關係があるのですが、特に相撲の場合は力士そのものと俠客が同根ともいふべきところがありますから。だからこそ「め組の喧嘩」なんかが起こるわけですね(火消し・鳶も廣義の俠客である)。
だからといって、野球賭博事件も八百長も、わたしは擁護しようとは思ひません。江戶・明治のむかしならともかく、財團法人として稅制面その他において優遇措置を受けてゐる現在においては、認められることではないでせう。現在、特例財團法人である日本相撲協會は平成25年11月30日までに公益財團法人になるか、一般財團法人になるかをえらばなければなりません。一般財團法人となってしまへば、稅制上の優遇措置の不適用はおろか、公益目的財產額を保有しつづけることはできなくなってしまひます。さうなると國技館の土地も國に返上しなければならなくなってしまひます。
公益財團法人になるためには國の認可を受けなければなりません。「暴力團ともつきあいます。八百長もやります。だけど公益法人として稅制その他優遇は受けさせてください。」といふのが通らないのはあたりまえです。
わたしは保守主義者ですから、角界は傳統をまもってほしい。しかし、傳統をまもるといふことは、なにも變はらないことではありません。エドマンド・バークも言ふやうに、保守するためには改革が必要なのです。映畫「山猫」でもタンクレディが「We must change to remain the same.」と言ってゐます。
變はるための時間はこれまでたっぷりあったはずです。いまどき八百長が發覺するといふのは、それにもかかわらず變はる努力をしてこなかったといふことにほかなりません。おそくとも、みづからも中盆でもあった元板井關の講演があったときからでも八百長撲滅の努力をするべきだったのです。
それなのに元板井關の發言を默殺するやうな擧に出たり、週刊現代記事に對して民事訴訟を起こしたりして、事態を糊塗するだけでした。
もう自分の尻に火がついてゐたにもかかはらず、それに氣がついてゐなかったのです。
おそらくもうこれが最後のチャンスでせう。八百長をはじめ、角界の暗い面をすべて出し切らなければいけません。
つよい批判も受けるでせう。ことによっては本場所の開催自肅さへも考へざるをえなくなるかもしれません。
それでもこの際、徹底的に自己改革をしてほしいのです。角界が傳統をまもって、變はらずに生き殘るためにはみづから變はらなければならないのです。
相撲好きの一人として、ぜひともさうやって、變はらずに生き殘ってほしいと心からねがひます。

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