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2008年3月に作成された記事

なんだか悲しいなあ

高島俊男先生の『天下之記者―「奇人」山田一郎とその時代』を買った。東京大學を卒業して文學士になり、東京專門學校(いまの早稻田大學)の創立に參畫し、「政治の早稻田」をつくりながら、竒人としての生涯をまったうした男。東大の同級生たちはみな出世し、高給取りになり、お屋敷に住んで女中や書生を大勢かかへるやうになってゐるのに、家もなく、全國を放浪してフリーの記者として一生を終へた、東大卒で一番出世しなかった男の哀しき一代記だ。なほ、ここでいふ東京大學とは新制の東京大學ではもちろんない。東京大學になるまへの東京帝國大學になるまへの帝國大學になるまへの東京大學だ。あまり知られてゐないが、この學校は明治10年4月から明治19年3月まで「東京大學」といふ名前だったのだ。
いまこの本をぢっくり讀んでゐるひまはちょっとないのだけれど、それでも氣になるのでパラパラとめくってゐると、いろいろおもしろいことが書いてある。たとへば「文學士」について。これはもちろん山田一郞が文學部を卒業したためだが、いまの「文學士」(平成3年7月1日以降授與分は「學士(文學)」のごとくになってゐるさうだが)とは相當ちがふ。當時の文學部は事實上政治經濟學部であった、といふやうなことが書いてある。
また、學士の地位の高さも今とはくらべものにならない。なにしろ明治30年まで日本には大學はひとつしかなかったのだし、またその規摸も「東京大學」の時代は寺子屋に毛がはえた程度の大きさでしかない。そんなところを卒業した人といふのはまさにエリート中のエリートだったのだ。
さて、はなしはかはるが、私は以前からディプロマミル(ディグリーミル)に關心をもってゐる。え、ディプロマミルなんて聞いたことない?「UNIVERSITY DIPLOMA」なんて件名の英文SPAMがとどいたことありません?あれがさうです。ひとことで言ふとカネで學位(らしきもの)を賣るインチキ大學のことです。
そんなわけで「学歴汚染(ディプロマミル・ディグリーミル=米国型学位商法による被害、弊害)」といふブログをいつも讀んでゐるのだが、その最新エントリ「大学教授の博士号取得率とPh.D取得率の違いの意味:東大経済学部vs中京大学経済学部」を讀んでちょっと考へてしまった。これ、つきつめて言へばハーバード大學やスタンフォード大學をはじめ、合衆國などの一流大學のPh.Dにくらべれば、東大だらうが京大だらうが國内の大學の博士號は二流、といふことになってしまふ。
私は大學敎育とかアカデミズムとかとはかかはりのない人間なので、それが正しいのかどうかはわからない。しかし、東大の敎員の多くが國内の大學の博士號ではなく、海外のPh.Dをもってゐる、といふのは事實だらう。だとすると、東大の博士號取得者であってももはやエリート中のエリートとは呼びがたい、といふことになってしまふ。明治前期の學士にくらべて國内博士號の價値の薄さよ。海外のPh.Dよりはるかにおとるやうに言はれてしまふなんて、なんか悲しいなあ。

大わらひした誤植

今日の朝刊にのってゐた「SAPIO」の廣告から。

<引用ここから>
SIMULATION REPORT「1バレル=120円」「1ドル=80円」時代への備えは万全か 世界を揺るがす「石油と金(きん)の経済学」
<引用ここまで>

どんな安い原油やねん!

ちかごろ感動したこと三題

その1 チベットの騷亂・虐殺事件に關聯して

チベットの騷亂で、多くの僧侶や一般市民が中共政府の手によって虐殺されてゐるとの報道に接して、たいへん胸が痛みます。非武裝・丸腰の人びとが、軍隊や武裝警察によって一方的に殺されてゐるのですね。悲しみと怒りで胸がいっぱいです。
民主主義者でも人權主義者でもなく、かつ憲法9條改正原則贊成派である反平和的で暴力的で野蠻な私でさへこんなにもこの事態を憂慮してゐるのですから、民主的で人權意識にあふれる反戰平和團體のかたがたの怒りはいかばかりでせうか。反戰平和なみなさんがどうおっしゃってゐるのか、ちょっと見てみませう。

9条ピースウォーク
ピースウォーク
不戦のネットワーク
ピースウォーク金沢
平和を望む東大生の会
ストップ!「報復」戦争・市民の会

あれ?どこもチベット問題にふれてゐませんね。なぜ?
あ、さうか。あまりの悲しみ、怒りに我を忘れるほどに興奮して、とても聲明文など書けるやうな精神状態ぢゃないんですね、きっと。さうとしか考へられませんよね。
いやあ、かくも深き反戰平和の思ひ。感動いたしました。決して反戰平和を言ひ立てる相手を日本と合衆國に限定してゐる、なんてことぢゃありませんよね。


その2 福岡縣田川郡香春町立勾金中學校の問題について

たうたう逮捕者が出たやうですけど、そんな惡辣非道な生徒でも放校にできないんですね。なんといっても子どもの權利は大切ですもんね。義務敎育を受ける權利の前には校長や敎頭が心勞でたふれたり、ほかの生徒が受ける迷惑なんかはものの數ではないんですよね。
やっぱり人權とか民主主義って、大事なんですね。人權主義者でも民主主義者でもない私にはよく理解できないんですけど、さういふもんなんですね。
國民はすべて平等ですから、そんな彼らとて義務敎育である中學校を卒業することができるんでせう、きっと。授業にも出ないでいつ業を卒(を)へたのかよくわかりませんけど。
ほんと、民主主義とか人權とかって偉大ですね。感動いたしました。
はなしはかはりますが、ソビエト社會主義共和國聯邦とか、朝鮮民主主義人民共和國といふ國がかつて存在しました。あるいは現に存在してゐます。一部の「民主派」なかたがたによると、日本よりも民主的な國ださうです。そのためでせうか、非民主主義者の私はこの兩國の體制が大きらひです。かういった國に生まれなかったことを天に感謝してゐます。そんな私でも、かういふ國にある、あるいはあったといはれる矯正勞働キャンプなるものの存在がすこーしだけうらやましく思へてしまふことがあります。なぜなんでせうね。


その3 児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の改正運動について

最近の世の中のうごきの中でもっとも感動したのがこの問題です。この記事とかこの記事とかでみなさん、御存じですよね。
彼らの人權意識の高さには感動の興奮をおさへきれません。私も性的虐待をふくむすべての兒童虐待には大反對ですから。
そのために16歳とか17歳の、女子なら結婚可能な年齡の“兒童”も小學生や幼穉園兒の兒童と同樣に保護しなければならないわけなんですね。なるほどなるほど。その人權意識の高さはさすがです。彼・彼女らも小學生・幼穉園兒同樣に行爲の意味も理解できないで、だまされて兒童ポルノを撮影されかねない、そしてそれが將來にわたって心の傷になりかねないといふことですね。
そればかりか『18歳以上の人が児童を演じるようなビデオなど』もだめと。具體的には『「子どもと見分けがつかないような、例えばセーラー服を着ているとか」といったもの』ださうです。18歳をこえてゐようが、20歳をこえてゐようが、セーラー服とかブルマとかを著て、ポルノな撮影に應じてしまふやうな人は兒童同樣に保護しなければいけないんですね。特に童顏だったり、貧乳だったりする人はさういふ格好をしてゐようがゐまいが兒童同樣に保護しなければいけないかもしれないわけですね。いやー、人權意識の低い私には思ひつきもしませんでした。
さらに『アニメ、漫画、ゲームソフトなどと、18歳以上の人が児童を演じるようなビデオなど』も「準兒童ポルノ」として違法化せよ、と。すばらしい。古來SFにはロボットが人間同樣に高度化したとき、その權利はどうなるのか、といふテーマで書かれた作品がいくつもありました。でもさすがのSF作家も繪にまで人權をみとめるべきかといふテーマには行きつきませんでした。この運動をおこなってゐるかたがたの人權意識の高さはSF作家の想像力などはるかに凌駕してゐたのですね。ふかく感動いたします。決して「現實と空想の區別がついてゐない」わけではありますまい。
そしてフェイクやフィクションなど「準兒童ポルノ」をふくめた廣義の兒童ポルノの單純所持も違法化すると。兒童の人權を侵害するケシカラヌ兒童ポルノ(準をふくむ)をボクメツするためには内心の自由などものの數ではないといふことですね。その人權意識の高さ、あらためて感動の渦であります。
さてみなさん、この運動がみのり、華氏451度的理想社會が到來すれば、われわれもこの法律にふれないやうに氣をつけなければなりません。
アダルトビデオを御所持の健康な若者のみなさん、モデルがセーラー服を著てゐるやうなケシカラヌものはまじってゐませんか。部屋のすみに積み上げたままになってゐるエロ雜誌のグラビアにセーラー服姿のモデルはゐませんか。
寫眞が趣味のおとうさん。むかし購讀してゐた「カメラ毎日」のバックナンバーは大丈夫ですか。沢渡朔さんや石川洋司さんが掲載されてゐましたよね。そんな號はのこってゐませんか。え、そんなふるい雜誌、段ボール箱に入れて納戸のおくに放り込んであるのでさがすのも大變?いえいえ、一人でさがすのは大變でも、おまはりさんが十人がかりとかでさがすと、あっといふ間に見つかってしまひますよ。
腐女子のみなさん、純情な高校生の主人公がちょっと危險な香りのする大學生にひかれていくうちに禁斷の仲になっていく、なんて漫畫をお持ちぢゃありませんか。兒童ポルノ法の對象に男女の別はないんですよ。氣をつけてくださいね。
ネットで山川純一さんの漫畫で大笑ひしてゐたみなさん、ハードディスクに保存してゐたりしないでせうね。たしか高校生が出てくる作品がいくつもありましたよね。五千いくらも出して「ウホッ!!いい男たち」を買ってしまったなんて論外ですよ。
やたらいろんな本や雜誌を買ひこんでは、すてられずにためこんでゐるみなさん。その數萬册の藏書の中になにがあるかもう把握してゐないでせう。ほんと、なにがあるかわかりませんよ。ある日突然おまはりさんにふみこまれたりしないやうに注意しませうね。
それもこれも兒童の人權保護のためなんですから、しやうがないんですよね、きっと。
さういへば日本弁護士連合会がこの問題に關する意見書を發表してゐます(あ、未來日付だ)。それによると日辯聯は、この方向での法改正に反對のやうです。弁護士法には「弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」と書いてありますが、きっと日辯聯はこれに反した團體なんでせうね、日本ユニセフ協會さん、アグネス・チャンさん、マイクロソフトさん、ヤフーさん。人權主義者ではない私にはよくわからないのですけど。

3月5日 de-ga-show at 新宿Pit Inn

まえにもちょっと書いたとほり、ライブ鑑賞記が書けずにたまってゐる。本當は時間ができてから、ふるい順に書きたいのだが、もう辛抱たまらん。昨日のde-ga-showは書かずにゐられない!といふわけで、書きます。
de-ga-show、なんと6年ぶりのライブださうです。てことは、2002年5月10日のクロコダイル以來ってことですかね。いや、このときは行けなかったんですが。私は多分de-ga-showには2001年11月5日、吉祥寺の曼荼羅でのライブにしか行ってゐないと思ひます。
てことはde-ga-showは2度目、といふことになりますが、もちろん、4枚のCDは何度も聞いてゐますので、その良さはよく知ってゐます。といふか、待ちに待った、といふより、もうないものと半分あきらめてゐたde-ga-showのライブなのですよ。
同じやうに待ちこがれてゐた人が多いのか、曼荼羅の倍以上入るPit Innがほぼ滿席。1曲目の「North East」からとばすとばす。「Aitai」、「Blues de-show」とde-ga-showのレギュラー曲をやったあと、片山さんが「今日のために榮ちゃんが書きおろしてくれました。ぢゃないな。ま、さういふ曲です。」とアナウンスしてやったのが「夢見るシャンソン人形」!もちろん林さんのアレンジ(片山さんによれば林栄一渾身のアレンジ)。實はこの曲、やはり6年ぐらゐまえに林栄一カルテット(のちNAADAMと改稱。その後自然消滅?)で何度か演奏されてゐたんですよ。そのころから好きで好きで好きで好きで大好きだったアレンジ。もうこれは完全な林栄一オリジナルです。林さん以外のだれが「シャンソン人形」をこんなふうにできるでせうか。その怒濤のサイケデリック「シャンソン人形」を、數年ぶりに、こんどはde-ga-showで聞けて涙が出るぐらゐ感激。もうこれ1曲で今日のチャージはもとをとったやうなもの。(林さん、またNAADAMも復活させてください。)
あと、「鶴」をやって、休憩。
で、後半も「Suna-Kaze」等、おなじみde-ga-showナンバーで、片山さん「久しぶりなんで曲わすれた。」とかいひながら、轟音の渦。
で、アンコールで出てきた片山さん「Hospitlに參加してくれた淸志郞に聲をかけたんだけど、名古屋で仕事があってだめでした。」といふことは、スケジュールさへ合へば今日出てた、といふことですね。「で、しかたなく、いやしかたなくぢゃないけど。」といって紹介されたのが酒井俊。おー、泰三さんとでダブル酒井だ!といふことで「Amazing Grace」をやって、あとde-ga-showのみでもう1曲やって終了。いやー、すごかったすごかった。おほいに期待して行ったのだが、それをはるかに上囘るステージ。これを機にまたときどきやってほしいものです。できればCO2も。
歸らうとしたら、久原大河畫伯がゐた。Mingaの新譜「Palpitante!」の束見本(とCDの場合はいはないか)をもってゐた。2.26ライブのときは全然できてゐないといってゐたのに、もうここまで形になってゐるんだね、感心。

※當面、たまったライブ鑑賞記は書けさうにないので、今後は是非書きたい&時間のあるときに、今日のやうなかたちであらたに行ったライブについて書くかもしれません。

江藤慎一“投手”って……

唐沢(盜用)俊一さんの2月29日の日記
江藤慎一“投手”って、それはなからう。
2年連續首位打者で王選手の三冠王を阻止したり、史上初の兩リーグ首位打者を獲得した偉大なバッターに對して。
文中に「少年の夢は生きている」のことも書かれてゐるが、山本正之ファンとしてもこんなまちがひをされるのは實にかなしい。
唐沢(盜用)さんって、本當にもの知りのふりをしたもの知らずなんだなあ。もう唐沢(盜用)さんがどんなまちがひをしてもおどろかないつもりだったが、さすがにこれはあきれた。

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