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2008年1月に作成された記事

作品名の略しかた

今日の朝日新聞の東京都面に「荷風に学ぶ1人の生活」といふ記事がのってゐる(リンク先參照)。
荷風のやうに生きるには相當のたくはへがいりさうな氣もするが、ま、それはいい。
氣になったのは、この記事で「斷腸亭日乘」のことを「断腸亭」と略してゐることだ。
斷腸亭とは荷風の號である(註)。その斷腸亭の書いた日乘だから、「斷腸亭日乘」なのだ。それを「断腸亭」と略してしまふのは、たとへば「原敬日記」を「原敬」と、「蘐園隨筆」を「蘐園」と、「多聞院日記」を「多聞院」と略してしまふやうなものだ。不當といはざるをえない。
どうしても略したいのなら、一般名詞ではあるが、「日乘」とするよりほかはあるまい。といふより、この程度の長さの言葉は無理に略さない方がよいと思ふが。
この記事では世田谷文學館の學藝員も「斷腸亭日乘」のことを「断腸亭」と言ってゐるが、實際さう發言したのかどうかはわからない。記者が略した可能性が多分にあると思ふ。どちらにしろ、言葉を商賣にしてゐる以上、表記にはもう少し氣をつかってほしいと思ふ。

(註)正しくは「斷腸亭主人」。本來は斷腸亭といふ名の家屋の主人、といふ意味である。ただし荷風は自宅を斷腸亭ではなく、偏竒館と稱してゐた。

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